神輿解説 第十七回 東京都文京区湯島 湯島天満宮 (東京都文京区湯島3-30-1)

  令和2年(2020)9月 記

 湯島天満宮の宮神輿は古神輿の特長を備えている。特に飾り紐の緋綱は関西宮神輿では当たり前である。以前の東京では緋綱は湯島天満宮をはじめ数社しかなかった(本来の色をつけた神輿は2社)が最近はちょっと増えたようである。この神輿の組物は三手で、昔より三手先は最も立派なものといわれていたが、この神輿はその美しさを備えている。露盤は大鳥を取り換えていると思われるが、露盤上に備わっているともっと重心が下がり古神輿の風格が出る。

 

 神輿にはまだまだ良いところがあるが、湯島天満宮には由緒で書いておきたいことがあるので、そちらを記してみたい。江戸時代の天満宮の別当は東叡山寛永寺であったという。寛永寺というと輪王寺宮(天台座主)が兼帯していたことになる。輪王寺宮は日光、上野、大津坂本の三門跡を兼帯していたので、職は喜見院(きけんいん)がその職にあたった。古書の中で湯島天満宮の挿絵を見ると寛文7(1667)、8年の刻銘を残す銅鳥居脇には別当と記載があり、これが喜見院と思われる。

湯島天満宮は享保の頃、寺門維持のため幕府公認の「富籤(くじ)」が江戸の3か所で発行された。湯島の喜見院(湯島天満宮)、谷中の感心寺、目黒の瀧泉寺で売られ「江戸の三冨」といわれ大いに賑わったようである。

こんな立派な由緒を持つ湯島天満宮に、比叡山延暦寺が別当だった日吉大社の神輿が渡御できれば、歴史、由緒とも申し分ないと思える。

 東京神輿と関西の雄、ともに緋綱が揃うことを想像し実現したいと思い巡らす。

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