神輿思惟(みこししい)、御輿思惟

 ―――― 今むかし ――――

神輿回想録 (第五回)

意冨布良神社(おおふらじんじゃ)

境内社 秋葉神社

滋賀県長浜市木之本町木之本

ここの神輿を知ったのは、今から30年以上前になろうか、当時はこの秋葉神社は「木之本地蔵」で有名な浄真寺境内にあった。浄真寺は北国街道に面した所にあり、この街道の西に位置する賤ヶ岳で織田信長亡き後の後見人争いで柴田勝家と羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が雌雄を決した古戦場がある。この時の秀吉の本陣は浄真寺であったという。時を経て明治天皇が北陸巡幸の折、この浄真寺で休息なされたとも聞く。


木之本は滋賀県といっても長浜とは異なり冬の天候は北陸同様でもあり、長浜が晴れていても木之本は雪がちらつくのである。北陸の雪雲が福井県と滋賀県県境の山を越え余呉や木之本に雪を降らせるのである。こうした土地は昔より火災が多く神輿を渡御させ火災から街を守らせようとしたのが起源のようだ。浄真寺には秋葉神社が鎮座していて、どのような経緯で京都の伏見稲荷(現伏見稲荷大社)の神輿を譲り受けたかわからないが、伏見稲荷五社の内の四大神社神輿である。

平成28年 意冨布良神社祭礼1
平成28年 意冨布良神社祭礼1

平成28年5月4日撮影

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平成28年 意冨布良神社祭礼2
平成28年 意冨布良神社祭礼2

平成28年5月4日撮影

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昭和58年 秋葉神社祭礼
昭和58年 秋葉神社祭礼

昭和58年3月18日撮影 『神輿(2)』京都・近江版収録写真

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平成28年 意冨布良神社祭礼1
平成28年 意冨布良神社祭礼1

平成28年5月4日撮影

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神輿の離れもの(瓔珞や華鬘、御鏡など付属品)には神仏習合時代の跡が色濃く残り彫金の美しさに目を見張る。伏見より木之本に来るときに、伏見より大津まできて大津より長浜まで船できたようだ。長浜より木之本まで直線で約14.7Km舁ついで来たという。神輿庫は鎮守社の意冨布良神社にあり、祭礼日の3月18日空座で浄真寺へ渡り御霊移し後、北国街道が色濃く残る木之本宿を渡御する。

平成25年(2013)より意冨布良神社に遷座し、祭礼日も5月4日に変更したが今も渡御の全てを肩で舁く本来の姿をみせてくれる。